トレードにおいて損切りを徹底することは当然です。
資金を守る手段として必ずしなくてはなりません。
なかには損切りしないトレード手法なるものを謳っているいるFX本がありますが、
この言葉に惹かれる自分は何故なのか考えてみて下さい。
前記事(FXのトレードはメンタルの確立が必要不可欠)でも述べましたが
トレードには意識性が必要不可欠な要素なのです。
意識性がないと自分を振り返ることが出来ないので良い意味で変化することはありません。
なので、本屋やネットを徘徊した時、惹かれるタイトルがあったら、
少しの間、立ち止まって何に惹かれたのか自分に問い掛けてみましょう。
トレーダーは禅や武道のように、このような精神的訓練が求められます。
貴方が損切りしないトレード手法なるタイトルに惹かる理由は、
資金を減らしたくないからではないでしょうか?
だとしたら、損切りは資金を減らすことと定義していることが分かります。
あるいは損切りした時の精神的苦痛を連想したのかもしれません。
だとしたら、損切り=痛いものとイメージしているのです。
NLPによると人間は痛みを避け、快楽を求める動物なので、
損切り=精神的苦痛とリンクしていると損切りを避けようと無意識的に試みます。
誰だって痛いことは嫌だから避けるのは当たり前なのですが、
このような無意識的な接続はトレードをする上で不利な方向で働きます。
それは何故なのか考えてみましょう。それは相場は不確実性の場だからです。
不確実性とは展開が不安定で未来が分からないことを言います。
このような場でトレードすると負けることは当然ではないでしょうか?
未来が分からないFXにおいて、もし損切りを設定しないままトレードすると
自分が建てたポジションと反対方向に変わった時、
極めて危険であることが容易に想定できます。
含み損が増えて行くのをただ見ているだけで貴方は破産します。
運が良いと後で反対方向に戻るかもしれません。
しかし、その保障はないのです。
そのまま反対方向にトレンドが伸びたなんてことは十分にありえます。
もし、そのような事態になったらどうなるでしょうか?
自分で出来ることは損切りを設定することだけです。
一時的にお金を失うことになりますが、
資金を守ることが出来ることが良く分かると思います。
これが損切りの役目だし、損切りの定義(資金を守る)になります。
人間は誰しも痛みを伴うことはしたくないのですが、
損切り=痛い思いとリンクしていると何時まで経っても損切りが出来ないままです。
もし、貴方が精神的苦痛を連想してしまうなら、
無意識下で設定している損切りの定義が間違っているのです。
正確に言うとトレーダー向きの定義ではないのです。
一般的な常識で考えると損切り=損することですが、
トレーダー的定義では損切り=資金を守ることになります。
FXが難しい理由は実はこういった側面にあります。
ほとんどのトレーダーはチャート分析やファンダメンタルの勉強を
積み重ねることでFXが上達すると考えている節がありますが、
その前にFXにおける姿勢を変えなければなりません。
例えば、それは相場に対する考え方等です。
相場は不確実で未来が分からない場なのです。
よって予測は無意味。するのは勝手ですが、何時でも外れます。
喩え、貴方がノーベル経済学賞を取った経済学者でも……
FXは常識的な考え方が通用しないところなのです。
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