相場は不確実性の場だと言われます。良く聞く不確実性という言葉。
この言葉はどういう意味なのでしょうか?
不確実なんて言葉なんか余り考えたことがないので、
良く分からないといった人が大半だと思いますが、
ちょっと立ち止まって改めて考えてみましょう。
前記事( FXのトレードはメンタルの確立が必要不可欠 )で触れましたが、
このような意識性がトレードにとって重要です。
数学のテストのように正解がないので勿論、自分なりの見解でOKです。
でも、予想するに多くの人が「その先が確実に読めない」ことを
「不確実性」と捉えているのではないでしょうか?
未来が分からない、展開が分からない、絶対にそうなるとは言い切れない、
そういう意味で不確実といった言葉を了解していると想像します。
もしそのように捉えているとしたならば、
トレードとは一体どういうものなのか分かります。
それによって自分が今までして来たトレードに対する認識も変わると思います。
「不確実性=未来が分からないもの」と捉えるならば、
その不確実性の世界で敢えて挑戦していることがトレードなのです。
未来が分からないのは人間として至極真っ当です。
この世に未来が読める人間なんて神でない限り存在しません。
なのに、そこで確実にお金を稼ごうとする考えは
とても不自然な発想であることに改めて気付かされませんか?
しかし、トレードにはまる人はそこの所をはっきりと分かっていません。
分かってないどころか、自分が立てた予想が当たったり外れたりすると
謎解きをしたくなる衝動に襲われるのです。
衝動というより魅力と言い換えた方が良いかもしれません。
人間は不思議なものやミステリアスなものに魅力を感じる生き物です。
その知的好奇心、探究心が科学を発達させたり様々な空想的な芸術を生み出す
原動力になったのかもしれませんが、これがトレードとなると厄介なことになります。
部屋にこもってチャートとにらめっこし、
分析に分析を重ねて、値動きの展開や今後を知ろうと努力します。
その結果はどんなに努力してもその後の展開が分かることはまずありません。
相場は不確実なのです。
そんなことは当たり前だと思うかもしれませんが、
はっきりと分かってないことが致命的な欠点なのです。
にも関わらず相場を分析することで相場の展開が分かると思い込み、
謎解きに熱中するようになるのです。
これは相場の魔力に憑り付かれたせいです。
宇宙の神秘を暴き出したい科学者のように謎が深ければ深いほど解き明かしたくなります。
これは自分の知的レベルに自信がある人ほど罹りやすい心の病です。
しかし、未来が分からないのは当たり前であることを改めて認識すると、
予想が外れるのは実に当然の話しで恥ずかしことでも
知的レベルが劣っていたわけでも何でもないのです。
この点が良く意識し直さないと金属を金に変える方法を求めた錬金術師のように
部屋に籠って更なる知識の探求と分析に時間とエネルギーを費やすトレーダーになるか、
早々と能力のなさを自覚しトレードから撤退するかどちらかになります。
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