あなたは自己啓発書を読んでいますか?
投資や投機に関心を持つ人は向上心が強そうなので
ナポレオンヒル系の本は当たり前のように愛読書のひとつに
なっているのではないかと思います。
この手のモノは結構良いことが書いてあるし、
たまに読むと発奮するので落ち込んでいる時はオススメです。
しかし、発奮しすぎて巷で言われるポジティブシンキングを
投資や投機の世界に持ち込むととんでもない目に遭います。
その理由は投資や投機の世界ではバイアスをなくすことが求められているからです。
常識的な考え方と違った思考法が問われるトレードの世界では
自己啓発書が得意としているポジティブシンキングはご法度なのです。
かと言ってネガティブシンキングもダメですが、
あくまで淡々とトレードすることが出来る禅思想を
心的態度として身に付ける必要があります。
現在なかなか勝てずに悩んでいる人はポジでもネガでもない第三の道に活路を
見出すことで突破できるのですがこの時、ナポレオンヒルを読んでしまったら
自信過剰トレーダーになる危険性があります。
この手の本はトレーダーにとって諸刃の剣であることは言うまでもありません。
気付いて欲しいのはニュートラルな心の態度です。
武道でも仏道でも禅的心的態度を内在化する為に修行していますが、
トレーダーの世界でも修行してこれらを内在化する必要があるのです。
まず相場を客観視できるメンタル性を養う為にリスクを取り、
過去の記憶からもたらされる連想から解放されなければなりません。
このことは前記事(FXはチャートパターンを読み取る一期一会のスポーツ)
でも述べました。
具体的な方法論を述べると、
リスクを取る→損失しても良い金額を決めて損失を受け入れる。
連想から解放される→セドナメソッドを行って恐怖心を受け入れる。
リスクを取ることで稼ぎたいといったポジ思考から解放され、
恐怖心を受け入れることで損したくないといったネガ思考からも解放され、
中立的(禅的)な心的態度が整う準備が出来ます。
後はトレード中ずっとこの状態を保っていれば良いのです。
出来ればトレード後もこの状態でいることが望ましいです。
この状態でチャート分析をするとバイアスに影響されずに解読できます。
少なくてもこの情報を見逃した等といった凡ミスはなくなり、
上昇トレンド真っ最中でもその逆の可能性に気付けたりします。
人間なので完全にバイアスをなくすことは難しいですが、
それでも通常のトレーダーよりも遥かに冷静に分析でき、
尚且つ、行動できるようになるはずです。
相場の世界では「人の行く裏に道あり花の山」
といったオヤジ臭い格言がありますが、
大衆の逆を張った方が良いなんてことは初心者でも分かっているのに
それを本当に実行できる人はかなり少ないはずです。
群集心理に溶け込みたくなる気持ちは人間として正常だし
集団に従うことで安心感が得られるので誰だって集団に従いたくなります。
群集心理に逆らって人と違った道に進むと心の不安定さが生じ
孤独感を味わいます。人によってはその不安定さに耐えられない
かもしれません。
しかし、第三の道に活路を見出したなら逆を張ることも平気です。
安心感にも不安定さの感情にも惑わされないわけですから。
勝とうとせず勝つことがトレードの真髄ですが
これはバイアスをなくすことで可能になる第三の道です。
そもそも勝ちたいと思ってトレードしているのに
勝とうとしないなんて矛盾してますが、
禅問答なるものがあるようにこの世界の常識は逆説的なのです。
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