経験上、利食いは損切りよりも難しいです。
損切りは痛みを伴いますが慣れると比較的簡単に習得できる技術です。
それに、分かりやすい性質があります。
FXにはリスクが付きものなのは初心者でも知っているので
損切りの必要性を説くと誰でも納得します。
しかし、利食いのことになると何故、難しいのか分からないのです。
儲かっているのだから簡単に利益を確定できるだろと思っているのです。
しかし、利食いが上手に出来るようになるには
損切りとは違った精神状態が問われ、
それは訓練によって開発する必要があるのですが、
この辺りになると何故、必要なのか初心者トレーダーには
理解できないようなのです。
ところで利食いの恐怖って何だと思いますか?
損切りの恐怖は精神的苦痛でした。
では利食いは何でしょうか?
それは欲と迷いの感情です。
損切りの恐怖が資金を失う恐怖と損失への精神的苦痛だとすれば
利食いの場合は収益機会損失の恐怖なのです。
相場には、
ブル(強気の雄牛)はときどき儲ける、ヘア(弱気の熊)もときどき儲ける
しかし、ホッグ(欲張りの豚)だけは儲からない
といった格言(意味は「損切りと利食いは人間の習性に反する行為」を参照して下さい)が
あると言いましたが、実は同じことを言っている有名相場師が日本にもいます。
本間宗久という人物です。江戸時代の米相場の名人だった人です。
数か月予想がピタリと当たって8~9分うまくいった時は、決して図に乗ってはいけない。
ただ無難に反対売買して、利益を確保することを考えるべきだ。
決して、欲を出して迷ってはいけない。
ここで利食いしようか? もっと上がるのではないだろうか?
と迷っている間に相場の状態が変わって利食いのタイミングを逸して儲けられず……
場合には損失を出してしまった……
なんて悲しい結果になってしまうのがホッグ(欲張りの豚)です。
利食いしなければ含み益は絵に描いた餅なので全く稼げません。
(利食い千人力という諺があります!)
こういう人は現在トレンドが上昇している機会を唯一無二のモノと捉えて、
貪欲にトレードをしているかのように見えるのですが、内心は収益機会への恐怖があって、
このチャンスに乗り遅れると損をするのではないか……?
と機会への損失を恐れているのです。
それが利食いへの迷いを生じさせているのですが、
そういう人のことををホッグ(欲張りの豚)と相場界では言っているのです。
じゃ、どうすればいいの?
となると簡単です。損切りの時と同じでルールを設定することで解決します。
例えばレジスタンスラインに達したら利食いすると決めてエグジットの注文を入れる
といったことをして本当に実行します。
利食いできずにずるずると引き延ばす癖があるという人は多分、
ホッグ(欲張りの豚)の素質があるので、こういう人こそルールを決めて
収益機会があるうちに利食いを強制化すると良いでしょう。
もし利益を確定した後、更にトレンドがスンズン伸びてしまったとしたら……
そういう場合は次があると思いましょう。
もしくは利食いした後のことは自分に関係ないと思うようにしましょう。
関係があるのは自分の資金の多寡だけです。
増えたのだから単純に喜んでいれば良いのです。
このようにホッグ(欲張りの豚)にならない為には誘惑を断ち切る
精神的訓練をする必要があるのです。
特にトレードルールに則って平然とルールを執行することは大切です。
何故なら、損切りも利食いも人間の習性に反する行為なので
そう平然と執行できないからです。
だからルールを課しているのですが、このルールも作ったら守るといった
精神的訓練を積む必要があります。
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