江戸時代の「相場秘録」という書物のなかでは、
総じて損する人、多くは欲と迷いよりなす所なり
と欲と迷いの2大要素が損する原因だと指摘されていて、
前記事(利食いの恐怖は収益機会損失への恐れが原因)でも書いた通り、
この2つの要素が適切な手仕舞いを出来にくくする原因になっています。
そもそも何故、手仕舞いが出来なのかというと、
それは人間の自然な心理と真逆のことが求めらているからです。
ここでは詳しく話しませんが、
気になる人はこちら(損切りと利食いは人間の習性に反する行為)
の記事をお読み下さい。
今回は自分を欲と迷いから解放する為に
日常で簡単にできる訓練を紹介しましょう。
中途半端を身に付ける!
FXでは心理的な節目になりやすい数字があります。
1ドル100円とか105円とかジャストな数字です。
人の心理として、このような隙間のないものに
こだわってしまいがちです。
例えばあなたが青色のノート(B5)を使っていたとします。
そのノートを使用後に本棚に保管していると次第に
綺麗な青色で埋まって来ていつの間にか
本棚の一角を占めるようになりました。
こうなるとあなたは同じメーカーの同じ青色の同じ大きさの
ノートじゃなければ嫌だといった感情が生じて来て
青色のノートにこだわり始めます。
上記の例はどうでも良いことかもしれませんが、
綺麗にそろったものに人間はこだわりがちになるのです。
FXでいえば30pipsに達したら利食いしようと予約を設定します。
すると予想通りにトレンドが伸びて含み益が23pipsになると
あと7pipsで利食いになると思って内心ニヤニヤしながら
30pipsになるまで待ちます。
しかし、28~29pipsまでトレンドが伸びると何故かしら、
それ以上は伸びず、トレンドは行ったり来たり……
あなたは待ってます。しかし、トレンドは29pipsを最高値に
反転してしまった……
こういうケースは利食いが下手な人にありがちな例です。
何故、こういうことが起こるのかというとあなたの方で
勝手に30pipsにこだわってしまったからです。
人間の習性の常として現実をコントロールしたいといった
願望がありますが、このこだわりもまた相場をコントロール
したいといった欲求の現れです。
相場はあなたの自由にはならないことは自明なのですが、
それでもあなたの方で勝手にこだわってしまった。
こだわりたくなるのが本能なので自然なのですが、
ことFXにおいて、特に手仕舞いにおいては、
このこだわりをスルーする必要があります。
30pipsを期待していたのに23pipsしか獲れなかったりすると
後味が悪いものが残りますが、FXで勝ちたいのであれば
後味の悪さ、中途半端感に慣れる必要があるのです。
先の例で出した青いノートと同じで、
日常生活でも似たようなことがあると思います。
普段から中途半端感を感じるの練習を積んで、
後味の悪さ、居心地の悪さを感じ、
その感情をスルーする自分に慣れておきましょう。
そうすることでこだわりのない自分、
コントロールしない自分になって来ます。
これを日頃から意識して試みることで
少しずつメンタルが強くなって行きます。
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